新型コロナウイルス感染防止の「緊急事態宣言」が全米に出されて、 40日以上が過ぎましたが、 州ごとに経済活動再開への動きが出始めています。
こちらは、カリフォルニア州オレンジ郡の海岸ですが、 大勢の人がビーチに繰り出し、 ソーシャルディスタンシングの距離も守ることができない ほどの人だかりです。
ビーチに来た若者
「自由の権利の行使さ もう家の中は嫌だよ」
南部ジョージア州では、ヘアサロンやスポーツジムなどがオープン、 感染対策として従業員と利用者のマスクの着用や消毒をしながらの営業を始めています。
サウスカロライナ州とジョージア州では、 すでに週末から一部のビジネスは再開していて、 その他、比較的感染者が少ない中部の州などでも来週から、 経済活動を限定的に再開させることを決めています。
テキサスでは州からの勧告を無視して店を開け続けるビジネスオーナーもいて、政府の対策に対して、批判の声を上げる市民が後を立ちません。しかし、州によって知事の考えも様々で、早期の経済活動再開について、一貫した方向性は示されていません。
一方、アメリカ最大の感染地域であるニューヨーク州ではクオモ知事が1日の死亡者数が、300人台に減少したと発表しましたが、今後は、新型コロナウイルス の感染を確認する検査と抗体検査を最優先に行うと強調しました。
ニューヨーク州アンドリュー・クオモ知事
「感染のスピードや範囲をとらえる、そのためにはまずテストだ」
ニューヨーク市では警察や消防、清掃局など市の職員12万人への抗体検査の実施を開始する考えを示しました。
新型コロナウイルスの感染を調べる検査については、先週土曜日、全米で30万人の検査が実施されるなど、
通算500万人が検査を受けています。しかし専門家はさらに多くの検査が必要だとしています。
コロナ対策調整官 デボラ・バークス医師
「今まで以上に効率の良い感染検査方法が早急に必要です」
一方、トランプ大統領は新型コロナウイルス対策定例会見を今後中止することを示唆するツイートを投稿しました。
これは先週木曜日にトランプ大統領が会見で、治療法の話の中で「消毒液の人への投与」について発言したことに、
多くの批判が出たことが発端となっています。トランプ大統領は、メディアの追求を非難しており、アメリカで新型コロナウイルス が発生してから50回に及んで行なってきた定例会見が中止される可能性が出てきました。
トランプ大統領はこの発言について「皮肉を込めて言っただけだ」と反論していますが、 イリノイ州の保健当局は、この発言を受けて消毒液や家庭用洗剤の事故が増え、中には新型コロナウイルスに効くと思い点鼻薬に除菌剤を入れたり、漂白剤でうがいをしたりした事故が報告されているということです。 ニューヨーク市でも同じような事故が倍増しているということで、 保健当局は家庭用の洗剤などを体内に入れることは大変危険だとして注意を呼びかけています。